宮城県 仙台地方の祝い唄
さ ん さ 時 雨
櫛野節謡
さんさ時雨か茅野の雨か(ハヤートヤート)音もせで来て濡れかかるショーガイナー(ハーメデタイメデタイ)
この家座敷はめでたい座敷(ハヤートヤート)鶴と亀とが舞い遊ぶショーガイナー(ハーメデタイメデタイ)
雉の雌鳥小松の下で(ハヤートヤート)夫(つま)を呼ぶ声千代千代とショーガイナー(ハーメデタイメデタイ)
さんさ降れ降れ五尺の袖を(ハヤートヤート)今宵ふらずばいつの世にショーガイナー(ハーメデタイメデタイ)
角に門松祝いに小松(ハヤートヤート)かかる白雪みな黄金ショーガイナー(ハーメデタイメデタイ)
武蔵あぶみに紫たずな(ハヤートヤート)架けて乗りたや春駒にショーガイナー(ハーメデタイメデタイ)
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旧仙台藩の領内である宮城県全域と岩手県一関、水沢地方 福島県北部および山形県米沢地方などに行われる祝い唄。
仙台地方の「君が代」の異称もあるように、祝儀の席上全員が厳かに手拍子を打って合唱するもの。この唄の起源については
伊達政宗が天正17年6月5日に 磐梯山麓摺上原で会津勢(芦名義弘)を破ったときの 戦勝の唄と称し、
終わりの囃子ショウガイナに 勝凱那 の字をあてる俗説があるが
詞型、曲態から考えてもそんな古いものではなく 徳川中期以後 京都以西とくに瀬戸内海沿岸に
広く行われていた恋の流行唄が、伊予の宇和島藩(初代藩主秀宗は伊達政宗の長子十万石) との交流により
仙台の伊達領一帯に移入されたものと思われる。(雄山閣 日本民謡大事典より)