秋田県民謡 長 者 の 山 櫛野節謡
長者の山 歌詞
さかる さかると 長者の山コ 盛るナー 盛る 長者の山 サーサ末永くナー
山さ 野火ついた 沢まで 焼けたナー なんぼか 蕨コ サーサほけるやらナー
さんか 深山の さなずら 葡萄コナー わけの ない木に サーサからまらぬナー
山に 切る木は いくらも あれどナー 思い 切る気は サーサさらにないナー
たとえ 山中 三軒 家でもナー 住めば 都の サーサ風が吹くナー
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秋田県仙北郡田沢湖町地方の祝い唄。一説によれば生保内から北へ五キロほど離れた、田沢村で古くから歌われたもので、
田沢湖畔の某長者が 金鉱を掘り当てた際、村人たちがそれを祝い、また繁盛を祈って唄った縁起の歌であると伝えられている。
婆踊りといわれるように、仙北郡と岩手県岩手郡との県境に近い、国見温泉に湯治に来た老婆たちが、掛け唄として唄っていたのを、
昭和の初期から仙北歌謡団の歌手として活躍していた黒沢三市が、習得してこれを(長者の山)と命名し、角館の神明社祭で披露して
から有名になったといわれている。この唄は祝宴の始めに必ず目出度く祝い全員で歌詞三節を唄うことになっている。優雅な曲調で
ゆっくりとした音の動きは、どこか生保内節とも似ている。現在では角館の祭礼の桟敷踊りで大いに行われている。
(雄山閣 日本民謡大事典より)